研究への患者・市民参画
対話のある研究とは
研究者だけで研究テーマや方法を考えるのではなく、患者、その家族、市民と積極的に対話を行い、それらを踏まえてより良い研究を作り上げていく方法です。
- 対話なし
- 研究者だけであれこれ
考えるよりも・・・

今の研究
研究者が考えた研究テーマや研究計画に、研究参加者(被験者)が協力するかたち。研究計画は、研究者だけで考えられていることがほとんどで、患者・市民の視点が反映されていません。
- 対話あり
- こっちの方が研究そのものが
充実するよね!

対話のある研究
患者・市民の意見を取り入れ、計画段階から研究を一緒に作っていくかたち。研究の改善の影響を受けて将来的に生活が変わる可能性のある方々の意見やアイデアを踏まえれば、より良い研究になるはずです。
正しく理解したいポイント
「対話のある研究」への参加とは、研究者の相談相手として対話に協力することです。「対話のある研究」の参加者の方に、病気の検査や調査が行われるわけではありません。

こんなことも期待できるね!
「対話のある研究」を経て、患者ならではの視点やアイディアが研究に反映されれば、被験者が『これは難しい!』と思うスケジュールやアンケート内容に頭を悩ませることも減るでしょう。『無駄だ!』と思う研究も減るはずです。
「対話のある研究」の流れ
-
ステップ1
対話のある研究の目的と役割を共有する
研究者が考えた研究テーマや研究計画に、研究参加者(被験者)が協力するかたち。研究計画は、研究者だけで考えられていることがほとんどで、患者・市民の視点が反映されていません。
- 1なんのために、どのような目的で、その研究を「対話のある研究」にするのかを、研究者・患者・市民のそれぞれが共有します。
- 2このとき、お互いの役割をしっかり共有・確認しましょう。
-
ステップ2
対話のある研究を実施する
お互いに対等な立場で対話しましょう。
もっとこうしたら良くなるのでは?もっとこの方が(被験者は)参加しやすくなると思うなど、より良い研究にするための前向きな意見を始め、ちょっとしたアイデアや感想も気軽に話し合えることが大切です。 -
ステップ3
お互いに活動を評価する
「対話のある研究」がうまく進んだかどうか、研究者・患者・市民それぞれの役割や効果を評価し合い、次の「対話のある研究」に生かしていきます。お互いの良かった点や反省点を考えます。
大切にしたい基本ルール

同じ目標に向かってコミュニケーションをとりながら進んでいくイメージで!!

一方的なコミュニケーション、たとえば専門用語ばかりのわかりにくい説明や、自分のことばかり話してしまうのはNGです。

「対話のある研究」では、自分の経験をもとに、アンケート項目の改善や研究スケジュールの変更を提案したりするのは大歓迎!ただ、個人的な相談をしたり、一人で延々と話したりするのはやめましょう。

参加者には「2つの結果」を必ず報告しましょう。
①対話のある研究を行った結果、何がどう変わったのか、または変わらなかったのか。
②対話のある研究を取り入れた研究プロジェクト自体から何が分かったのか、または分からなかったのか。